nekonyantaro's diary

自分語りなど、よしなごと

国民国家の解体とグローバル化

内田樹 日本の現在地

朝日新聞の「オピニオン」欄に寄稿(2013.5.8)

グローバル企業の「コストの外部化」を国民国家に押しつけることは、国民国家の崩壊プロセス。それをサポートしているのが排外的ナショナリズム。この一見矛盾する関係が実は表裏一体。

改憲案の「新しさ」

グローバル企業はボーダーレスな活動体であり、自己利益を最大化するチャンスを求めて、いつでも、どこへでも移動する。得物を追い求める肉食獣のように、営巣地を変え、狩り場を変える。一方、国民国家は宿命的に土地に縛り付けられ、国民を背負い込んでいる。国家制度は「その場所から移動することができないもの」たちをデフォルトとして、彼らを養い、支え、護るために設計されている。

グローバル企業を狩猟民族、国民国家を農耕民族に擬えたメタファーか?