nekonyantaro's diary

自分語りなど、よしなごと

労働組合は何故衰退したのか その1

筆者の職場でも年々新人の組合加入率が下がり、勤続年数の長い組合員が組合を脱退する事例も増えている。筆者はそのような状況に危惧を抱いているが、事態を打開する明快な回答は見出せていない。労働組合の凋落について何回かに分けて文章にしてみることで、なにか解決の糸口を見出せればと思っている。

第1回は現状に至る歴史的経過を振り返ってみることにする。

かつて野党第一党だった「日本社会党」の国会議員は「総評系」労組幹部が多くを占め、家族まで含めた労働組合員による組織選挙で議席を確保していた。

その支持基盤は、国家及び地方の公務員と国鉄をはじめとする公共企業体の労組、そして民間でも私鉄など大企業やその傘下にある企業の組合などであった。日本経済の高度成長を支えた、電気電子、自動車、機械などの製造業大手メーカーの組合は民社党系の「同盟」が主流だった。労働者数では大多数を占めた、中小企業ではそもそも組合が存在しないところが多かった。

そのような状況で、「恵まれた少数派」の労組が、社会通念に照らして過大な要求を掲げ、マスコミでも否定的な報道を受け、国民の支持を失って行った。

(以下続く)